モチベーション理論の古典として有名なハーズバーグの「動機づけ・衛生理論(二要因理論)」によれば、「給料」「福利厚生」「対人関係」等は、不満を引き起こす要因であり、一方、仕事の満足感を引き起こす要因として「達成」「承認」「責任」「仕事そのもの」「昇進」が挙げられています。
高いモチベーションをもって仕事に取り組んでもらうためには、不満要因を取り除くだけでなく、満足要因である「仕事」「組織」について、必要な事項を整備してゆくことが大切になります。
福利厚生面やお給料についてはもちろん不満足要因とならないようにしなければなりませんが、並行して仕事そのものについての意欲を持ちやすい環境づくりや仕掛けも必要ということですね。
マネジメントに携わる者にとって、自分が傘下のメンバーに与えている環境が、衛生要因に基くものか、動機付けにつながるものか、をしっかり見極めておくことが重要だと考える。結局、目に見えるものや数字で表わされるものは、一時的に当事者の満足を得られるかもしれないが、それは一過性のものであって、たえず、彼らのモチベーションの状態を観察して、経営の方針と具体的な施策が一貫性を持ったものとして受けとめられているかを、自問する必要がある。